「Webサイトのアクセス数は増えたが、コンバージョンにつながらない」「CVRを改善する効果的な方法を知りたい」
このように、Webサイトの運用担当者の中には、自社サイトのCVが思うように増えず、CVR改善に悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
CVRが低い根本的な原因を探り、CVRを改善することでサイトのアクセス数が着実に売上につながります。
この記事では、CVRを改善する重要性や、CVR向上に効果的な施策について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
そもそもCVR(コンバージョン率)とは?
CVR(Conversion Rate)とは、コンバージョン率の略称で、Webサイトのアクセス数のうち、どのくらいコンバージョンに至ったかの割合を示す指標です。
コンバージョンは、Webサイトやサービスの種類によってさまざまですが、具体的には次のようなものが挙げられます。
Webサイトの例 | コンバージョンポイント |
ECサイト | 商品購入 |
旅行・宿泊予約サイト | 予約発生 |
不動産サイト | 問い合わせ・資料請求 |
教育・学習サイト | コースの申し込み |
イベントサイト | イベントへの登録・申し込み |
アクセス数がいくら多くてもCVに至らなければ本来の目的を達成できないため、CVRを高めることはマーケティングにおいて非常に重要と言えるでしょう。
CVRの計算方法
CVRは、次の計算式で求めることができます。
CV数 / アクセス数×100 |
たとえば、特定のページに訪れたユーザー1,000人のうち、50人が製品を購入した場合のCVRは5%になります。
「CV数」や「アクセス数」は、Google Analyticsなど自社のWebサイトの解析ツールから確認できます。
【業界別】CVRの目安・平均値
CVRは業界によって大きく異なるので、一概にこの程度が適切とは言い切れません。
Marketing Sherpa社の調査データによると、業界別のCVRの平均値は次の通りです。
業界 | CVRの平均値 |
コンサルティング・ファイナンス | 10% |
メディア・出版 | 10% |
教育・医療 | 8% |
ソフトウェア・クラウド | 8% |
技術機器・ハードウェア | 7% |
製造業 | 5% |
旅行・サービス業 | 4% |
小売・EC | 3% |
非営利団体 | 2% |
その他 | 8% |
CVRに差が生まれるのは、業界によってCVのハードルが異なるためです。
たとえば、問い合わせや資料ダウンロードをCVに設定している場合と、商品購入をCVに設定している場合では、前者のほうがCVにつながりやすいと言えます。
そのため、業界の平均値や競合他社の数値を参考に、CVRを評価することがおすすめです。
CVRを改善する重要性
コンバージョンは、WebサイトやECサイトなどの施策において、最終的な成功の目標となります。
たとえば、WebサイトAは1週間で500回アクセスされ、WebサイトBでは同期間で2,000回アクセスされたとしましょう。両方のサイトで50回ずつCVが達成されたとします。
アクセス数 | CV数 | CVR | |
WebサイトA | 500回 | 50回 | 10% |
WebサイトB | 2,000回 | 50回 | 2.5% |
もしWebサイトAがCVRを20%に向上できれば、同じアクセス数でCV数が100に増えます。WebサイトBも同じアクセス数でCV数を100に増やせれば、WebサイトAと同じ成果を達成できるでしょう。
この例で、CVRの改善がWebサイトの成功にどれだけ影響を与えるかが分かるでしょう。アクセス数に関係なく、CVR向上はマーケティングやビジネスにとって非常に重要です。
CVR改善に効果的な施策8選
ここからは、CVRを改善するために効果的な施策を紹介します。
自社のWebサイトにおける課題や目的をもとに、必要な施策を打ち出しましょう。
Webサイトへの流入・集客を改善する施策
はじめに、Webサイトにおける流入や集客を改善する施策について解説します。
- ターゲティングを見直す
- 流入経路を把握する
- 市場や業界を分析する
それぞれ順に見ていきましょう。
ターゲティングを見直す
自社が狙う層に絞ってマーケティングを展開することを「ターゲティング」と言います。ターゲティングの精度が悪いと、CVRが低下する原因になります。
たとえば、Web広告やコンテンツ制作において、想定しているユーザーとかけ離れたユーザーばかりに届いていては、CVなどの成果につながりません。
狙っているターゲット層からの流入を獲得できていない場合は、広告配信やコンテンツ制作におけるキーワード設定を見直すことが大切です。
流入経路を把握する
Webサイトにアクセスするユーザーがどの経路から流入しているかを把握することも重要です。
流入経路によって、CVRに大きな差があ場合があります。CVRが極端に低い流入経路がある場合は、改善点を検討して対策を講じましょう。
たとえば、検索エンジンからの流入経路が少ない場合は、SEO戦略を強化することで流入を増やすことにつながります。
また、「広告×PC」「SNS×スマホ」といったように、流入経路ごとにデバイス別でCVRを確認すると、より深く問題点を探れるでしょう。
市場や業界を分析する
市場調査や業界を分析することは、競合他社との差別化に役立ちます。自社の強み・弱みを把握し、強みを活かした施策を展開することで、競争力を高めて新たな顧客を引き寄せることが可能です。
また、市場調査と業界分析にもとづき、顧客のニーズやトレンドを把握すれば、集客のために効果的な戦略を策定しやすくなるでしょう。
CVRを高めるには、常に市場や業界の変化を分析し、適切な対策を講じることが重要です。
ユーザーが離脱する原因を減らす施策
続いて、ユーザーが離脱する原因を排除するための施策について紹介します。
- ランディングページを最適化する(LPO)
- 申し込みフォームを最適化する(EFO)
- UI/UXを最適化する
それぞれ順に見ていきましょう。
ランディングページを最適化する(LPO)
ランディングページに訪れたユーザーに対して、魅力的な訴求や導線設計を行うことで、CVRを改善することをLPO(ランディングページ最適化)といいます。
個々のユーザーニーズに合わせて最適化し、目的に合わせたテキストやクリエイティブでLPを用意することで、ユーザーの離脱を防ぐことができます。
LPOでは、次のような項目を改善することでCVR向上を狙えるでしょう。
- ターゲットのニーズを掴めているか
- 興味を惹くFV(ファーストビュー)になっているか
- コンテンツの順番は適切か
- CTAの位置は適切か、目立たせているか
- ページの読み込み速度は遅くないか
申し込みフォームを最適化する(EFO)
問い合わせや会員登録、商品購入時などに入力する、エントリーフォームを最適化する施策のことをEFO(エントリーフォーム最適化)といいます。
フォームに情報を入力して完了する作業は、ユーザーに負担がかかります。少しでも分かりづらかったり面倒に感じると、途中で離脱してしまうことも少なくありません。
また、「完了ボタン」と「キャンセルボタン」が同じ大きさや色で隣り合っており、操作ミスによって未達となることもあるでしょう。
具体的には、次のような改善例が挙げられます。
- 必要最低限の項目のみ残す
- 郵便番号で住所を自動入力できるようにする
- フォームの入力中(送信前)にエラー箇所を表示する
- 電話番号は1つの枠で入力する仕様にする
- 入力パッドが自動切換えされるようにする
EFOを実施する際は、実際に問い合わせまでの流れを体験し、使いづらいと感じる部分はないか確認しましょう。
UI/UXを最適化する
Webサイトが使いやすいかどうかは、CVRを左右するポイントです。サイトの使い勝手が悪かったり、導線が分かりづらいと、ユーザーがCVに至る前に離脱してしまいます。
具体的には、次のような改善例があります。
- 検索機能を充実させて、ほしい情報に辿り着きやすくする
- 読み込み速度やエラーを改善する
- レスポンシブデザインに対応する
UI/UXの最適化によって、ユーザーが快適にサイトを利用できるようになり、離脱率の低減やCVR向上につながるでしょう。
ユーザーにコンバージョンを促す施策
最後に、ユーザーにCVを促すための施策を紹介します。
- レビューや事例を紹介する
- CTAの内容や表示回数を改善する
それぞれの施策について見ていきましょう。
レビューや事例を紹介する
製品やサービスに関するレビューや導入事例を紹介し、信頼性を高めることもCVR改善に有効です。
ユーザーは申し込みや購入前に、不安や疑問を抱く傾向にあり、高額な製品やサービスであるほど、購入前に立ち止まる可能性は高くなるでしょう。
実際に使用した感想や意見を知ることで、信頼できる商品と感じてもらいやすく、CVの後押しにつながります。
CTAの内容や表示回数を改善する
CTAボタンは、ユーザーがクリックしたくなるような工夫が大切です。クリック率が低い場合は、テキストや色、配置、表示回数などを改善しましょう。
常に表示させる固定バナーや、ページのスクロールに合わせて追従するバナーを配置し、ユーザーの目に触れやすくするのも1つの手です。
ただし、ユーザーの操作性を妨げるようなCTAは、離脱の原因になってしまうので注意しましょう。
まとめ
CVRを改善する際は、見た目だけの数値を改善するだけでなく、最終的なゴールである「売上アップ」や「利益アップ」につなげることが重要です。
自社Webサイトの状況を正しく把握し、原因や課題を洗い出したうえで、適切な施策を実行しましょう。
また、「自社のWebサイトをどこから改善すべきか分からない」「思うように成果が出ない」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。